オウバクで染めた紙

黄柏には防虫効果があり昔は写経用の紙を染めるのに用いられました。

中国の敦煌から出土した経典に黄柏で染めた紙があり、日本では正倉院の宝物殿に「黄紙」、「黄染紙」

があるがそれらは黄柏で染めた物です。

 

日本の伝統色に「黄檗色(きはだいろ)」と言われる色があり、この色は名前の通り黄柏の色と

一緒の黄色です

奈良薬師寺の魚養経、長屋王が書写した大般若波羅蜜多経など、経典の料紙は黄蘗で染められているのが普通だった。黄蘗には防虫効果があるとされたためである。正倉院にも公文書用の黄染紙が保存されている。近代にも商家の大福帳には黄蘗染めが使われる例があった。

黄蘗は同じく黄色の染料である苅安とは違い、布に単独で染められることは珍しく、緑系や赤系の染物の下染めにされることが多かった。